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III 文庫 3.その他の文庫

(4)赤松、大山、志賀、下坂、林文庫他

 a 赤松文庫  新人会の創立者の1人で,総同盟・社会民衆党の指導者であった赤松克麿の旧蔵書は,図書の部が社会運動・労働運動関係書を中心に約200冊で,この中には堺利彦著『社会主義論集』,桑田二郎著『電車ストライキ』,山川均著『単一無産政党論』,赤松克麿等編『日本無産政党史』,松岡駒吉著『野田大労働争議』などがある。また雑誌・新聞等は『社会政策時報』『先駆』『労働婦人』『日本農民新聞』など40タイトルほどである。御遺族から寄贈をうけたこれらの図書・資料は1959年度に登録された。

 b 大山文庫  大山郁夫旧蔵図書は,法政大学社会学部高橋彦博氏の斡旋により御遺族から当研究所に寄贈され,1974年度に登録されている。その90%ほどが洋書で政治学関係が大部分をしめる。この文庫については,「グムプロヴィッツ,オッペンハイマーが入っているのはもちろんであるが,トックヴィル,デュギー,ウォーラス,ラスキなどがそれ以上に目立つ存在になっている点が注目される。ラスキの場合,主権三部作を含めすべて初期のものである。ミヘルス,ロウエル,オストロゴルスキーなども入っており,故人の関心が学説史の把握よりも構造分析に向けられていた点がうかがえる。マルクス・レーニン主義の文献も多いが,コール,マクドナルド,ホブスン,さらにはベルンシュタイン,ラデック,ディーツゲン,カウツキーなどの文献が結構多い点にも注目される」と高橋彦博氏によって紹介されている。雑誌『法政』1975年No.257/258合併号にこの紹介文が掲載されているので,詳しくはそちらを参照して頂きたい。

 c 志賀文庫  志賀義雄氏からは,何回かにわけて寄贈を受けている。和書は『赤色労働組合インターナショナル大会』の記録など230冊で,社会主義関係が主流を占め,マルクス,エンゲルス,レーニンの著作及び中国に関するものが目立っている。洋書は250冊,和書と同様の傾向ではあるが,さらに第1~第3インタナショナル大会の記録やブハーリン,カウツキー,ラッサール,トロツキーなども含まれていて,特に1920年代の刊行物がほとんどを占めている。この他十数種類の洋雑誌,Communist International,Die rote Gewerkschafts-Internationale などがある。

 d 下坂文庫  戦前・戦後を通じ,農民運動,無産運動で活躍した下坂正英の図書・資料は,戦前の社会運動・農民運動関係の雑誌,機関誌紙およびパンフレットが多数を占めている。特に雑誌・新聞類には大原社研の欠号を埋めるものが少なくない。戦前の部は,『無産者新聞』『土地と自由』など約90タイトル。戦後は『農民運動』など機関紙誌・雑誌あわせて約30タイトルである。図書のほうは約600冊ほどで,和・洋ともにマルクス,エンゲルス,レーニンの著作及びその関係図書が大部分で,そのほかには共産主義運動,農民運動,部落問題といったものがみられる。

 e 林文庫 経済学者で戦前の大原社研所員であった林要氏旧蔵の雑誌・新聞等は,1974年ごろ氏から寄贈されたものである。雑誌は『インターナショナル』『我等』など40タイトル,新聞は『帝国大学新聞』『労働新聞』など約25タイトルである。この他『水曜会パンフレット』など40種類の小冊子が含まれている。

 f その他 このほか多くの方々から御寄贈頂いた。個人では,青木宗也,阿部勇,伊藤好道,宇野弘蔵,及川朝雄,大内兵衞,大原慧,岡田宗司,岡本唐貴,春日庄次郎,加藤勘十・シヅエ,上条貞夫,北原和夫,櫛田民蔵,久留間鮫造,桑島南海士,杉山元治郎,鈴木茂三郎・徹三,高瀬清,田中稔男,田沼肇,千葉成夫,東城守一,中林賢二郎,西田勝,延島治夫,藤林伸冶,前川正一,松沢俊昭,村田陽一,森戸辰男,守屋典郎,山川均・菊栄,山本巌,吉田秀夫,渡辺悦次,渡辺潜の諸氏。

 団体では,総評,同盟,全国金属,全日農,総評民間単産会議,炭労,産別会議,東芝労連,三菱労連,国労,建設一般全日自労,松川弁護団,国民救援会,自由法曹団,6・15事件国家賠償請求訴訟原告団,スモン対策会議,部落解放同盟,日本労働協会,雇用職業総合研究所,連合総研,そして労働省,都立労働研究所はじめ諸官庁など。

(北村芙美子・若杉隆志)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より

更新日:2023年09月08日

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