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IV 定期刊行物 1.戦前の機関紙誌

(1)労働組合関係機関紙誌

 当研究所は,『日本労働年鑑』編纂のために多くの組合関係機関紙誌類を集め,さらに《日本社会運動史料》編集の過程で欠号補充に努めてきた。そのため,この分野は比較的充実している。『友愛新報』『労働及産業』『新神戸』など,総同盟の機関紙誌類は復刻済みのものが多いが,そのほかの組合中央組織や個別的な労働組合機関紙誌の復刻は,レフト・統一同盟機関誌『労働者』をのぞいてあまりなされていない。現在のところ,それらにあたるには当研究所所蔵の現物を見るほかないであろう。まず,左翼系では評議会や全協の『労働新聞』がある。これらにはほとんど欠号はない。『工場と鉱山』『労働大衆』『全国労働新聞』ほか組合同盟系中間組合組織のものもほとんど揃っている。

 そのほかの主要組合連合体のものを見てみよう。『大阪鉄工組合機関紙』『純労働新聞』『社会運動』を継承し,反総同盟系の組織として1926年結成された日本労働組合総連合によって刊行された『組合連合』『組合総連合』がある。これらは1919年より始まって,36年まで息長く出され続けた。『向上会会報』『向上新聞』『官業労働新聞』と出された官業労働総同盟のものも長く続いている(1920~35年)。武相連盟・造船労働連盟の『武相連盟』『労働時代』,日本交通労働組合・日本交通労働総連盟の『交通労働』『労働自治』,海員組合の『海員』などのような産別組合のものもある。『信友』『正信』『印刷工連合』などの印刷出版労働組合関係のものも少なくない。

 昭和のものでは全評の『日本労働新聞』をまずあげるべきであろう。日本労働倶楽部を継承して結成された日本労働組合会議の機関誌『組合会議時報』や日本労働国策協会の『組合会議』『労働国策』もある。特に後二者は完全に揃っている。上にふれたものは一部に欠号があるものの,ほとんど所蔵されている。

 全協加盟組合関係の機関紙誌類は多くの種類のものが集められている。これらのものには戦後,運動関係者などから寄贈された資料の中から少しずつ収集されたものも含まれる。そのなかには,全協日本金属労働組合『金属労働者』,同日本交通運輸労働組合『交通労働者』などの主要なものがあるが,大半は各地で非公然に単発的に出されたものである。これらは各地方の左翼組合運動の一端を知るための貴重な史料であり,当研究所でなければ見ることができない珍しいものも含まれている。

 そのほか地方労働組合,あるいは労働組合地方支部の刊行した『組合ニュース』『組合報』といった定期刊行物もかなりの数があるが,ここではその全てを紹介するのは不可能である。関東合同労働組合『旬報』(1926年6月~27年7月)のように完全に揃っているものもあるが,ほかのものは必ずしも系統的に所蔵されているわけではない。

(梅田俊英)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より

更新日:2014年12月22日

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