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『日本労働年鑑』第71集(2001年版) 2001年6月25日刊行

1920年以来毎年(戦時中10年間を除く)、大原社会問題研究所から刊行されている『日本労働年鑑』の2001年版が、6月25日に刊行されます。本書は、2000年1年間の日本の社会・労働問題および運動の動向、それらとかかわる政治動向、労働・社会政策などを中心に、できるだけ客観的に記録した日本唯一の労働年鑑です。

本書が対象としている2000年は、経済は緩やかな回復をしたものの、政治の場では連立与党と野党が厳しく対立し、国会では野党が欠席するなかで衆参の選挙制度改正の審議・可決がなされるなど、異例な運営が行われました。また、憲法調査会の発足や集団的自衛権に関する論議が活発化しました。

日本経済は一定の回復をみせたものの、個人消費が伸び悩み、消費者物価指数は初めて2年連続減少し、倒産企業の負債総額は戦後最高を記録しました。雇用情勢は前年に引き続き厳しい状況で、完全失業率は前年と同じ4.7%と過去最高水準でした。完全失業者数は320万人で前年より3万人増加し、2年続けて300万人台を記録しました。政府は、前年に引き続き積極財政を実施し、10月にはIT関連の社会資本形成を中心に据えた総合経済政策を打ち出しました。
労働政策面では、4月から企画業務などで裁量労働制が施行され、5月には「会社分割等に伴う労働契約の承継等に関する法律」が成立するなど、労働分野での規制緩和が進みました。社会保障政策では、年金改革関連法案が野党の反対を押し切って3月に可決されましたが、連合、全労連、全労協は法案阻止をめざした大衆的取り組みを国会や街頭で展開しました。

この71集も、12年前から採用した5部構成をとっています。すなわち、序章と特集を別にして、全体を、(1)労働経済と労働者の生活、(2)経営労務と労使関係、(3)労働組合の組織と運動、(4)労働組合と政治・社会運動、(5)労働・社会政策の5部に分けています。なお、71集から第1部に新たに「外国人労働者」の章を加えました。『日本労働年鑑』は、第59集(89年版)と第64集(94年版)で、日本における外国人労働者に関する特集を組みました。80年代後半以降増加した外国人労働者は日本社会に定住しつつあり、99年における雇用者総数に占める割合は1.3%と推計されています。そこで、第71集より1年ごとの動向を記録することにしました。

『日本労働年鑑』の詳しい目次については、こちらをご覧下さい。
第71集の特集は、「人事評価と労働組合」をとりあげました。この特集は、法政大学大原社会問題研究所が98~99年度に実施したアンケート(通信調査)と訪問調査のうち、アンケート(「人事考課と労働組合に関する調査」)の結果をまとめたものです。バブル崩壊後の長期不況のもとで、業績、成果など結果に現れたものを評価の中心対象として処遇に結びつける新しい形の能力主義が強調されています。特集は、このように近年変化しつつある人事考課制度に対し、労働組合がとる態度・対応、認識する問題点を明らかにします。そして、人事考課の結果生じる組合員間の処遇の格差と、労働組合としての平等主義的なエートスがどのような形で調整されているのか分析を行っています。

同年鑑、または大原社研の出版物のバックナンバー等についてはここをご覧下さい。

なお、当研究所では、本年鑑に関連する資料や論文を、当研究所の月刊誌『大原社会問題研究所雑誌』に収録しています。本年鑑とともに、活用していただければ幸いです。
『大原社会問題研究所雑誌』の定期購読についてはここをご覧下さい。

『日本労働年鑑』第71集(2001年版)
法政大学大原社会問題研究所 編
旬報社 刊
定価 15,000円+消費税
全国書店で販売予定

『日本労働年鑑』第71集の目次

はしがき

序章 政治・経済の動向と労働問題の焦点
   1 国際政治
   2 世界経済
   3 国内政治
   4 国内経済
   5 労働問題
   6 労働運動

特集 人事評価と労働組合
   はじめに
 第1章 アンケート調査の目的と概要
   1 調査のねらい
   2 調査概要
   3 回答組合の属性
 第2章 組合の団結と課題
   1 組合の団結について
   2 組合活動
   3 「組合離れ」について
 第3章 人事制度と労働組合
   1 賃金・人事制度の変更と組合の対処
   2 職能資格制度について
   3 「目標による管理」と問題点
   4 人事考課制度について
   5 評価表の問題点
   6 人事考課に関する組合の取り組み
   7 人事考課の欠点を補う工夫
 第4章 結語
 参考資料

第1部 労働経済と労働者生活

 Ⅰ 労働経済の動向
   1 景気動向と労働力需給
   2 就業・雇用構造
   3 賃金と労働時間

 Ⅱ 労働者の生活と意識
   1 消費者物価の動向
   2 労働者家計の収入と支出
   3 長期不況と生活破壊の進行
   4 労働者の生活意識の変化

 Ⅲ 女性労働
   1 就業・雇用状況
   2 女性の入職・離職と雇用・失業状況
   3 女子学生の就業状況と女性雇用管理
   4 女性労働者の賃金
   5 女性非正規雇用者の状況


 Ⅳ 外国人労働者
   1 外国人労働者の就労・雇用状況
   2 不法残留外国人と「不法就労」問題
   3 外国人労働者政策

 Ⅴ 労働災害・職業病
   1 労災・職業病の概況
   2 労働災害防止のための重点施策
   3 労働者の安全・健康状況調査と安全・健康確保への取り組み
   
第2部 経営労務と労使関係

 Ⅰ 経営者団体の動向
   1 労働問題
   2 賃金、労使交渉
   3 雇用対策
   4 年金、社会保障制度
   5 教育
   6 IT革命、経営革新
   7 その他

 Ⅱ 経営労務の動向
   1 人事労務管理の課題と実施状況
   2 企業のリストラと雇用情勢
   3 女性の人事・労務
   4 グループ経営と社内分社化、会社分割、持ち株会社
 
 Ⅲ 主要産業の動向
   1 全体の動向
   2 鉄鋼・造船重機産業
   3 自動車産業
   4 電機・電子・情報産業
   5 商業・流通・サービス業
   6 金 融 業
   7 交通・運輸産業
   8 建設産業
   9 医療・福祉
   10 公  務
   11 教  育

第3部 労働組合の組織と運動

 Ⅰ 労働組合の組織状況と労働争議
   1 労働組合の組織状況
    (1) 労働組合の組織率と組織状況
     (2) 主要連合体の組織状況
    (3) 都道府県別組織状況(1999年)
   2 産業別労働組合組織の動向
   3 労使交渉と労働争議
    (1) 労使交渉の現状と今後
    (2) 労働争議

 Ⅱ 労働組合全国組織の動向
   1 連合(日本労働組合総連合会)
    (1) 組織状況と概要
    (2) 運動方針と諸課題への対応
    (3) 政党との関係と政治路線
    (4) 国際活動
   2 全労連(全国労働組合総連合)
    (1) 組織状況と構成
    (2) 運動方針と諸課題への対応
    (3) 政党との関係と政治路線
    (4) 国際活動
   3 全労協(全国労働組合連絡協議会)
    (1) 組織状況と機構
    (2) 諸課題への対応と政党との関係
   4 その他の団体
   5 第71回メーデー

 Ⅲ 賃金・時短闘争
   1 ナショナルセンターなどの賃金・時短要求、闘争方針
   2 春闘前段の労使攻防
   3 春闘の本格的展開
   4 2000春闘の妥結状況
   5 2000春闘の総括
   6 2000年夏季・年末一時金妥結状況

 Ⅳ 政策・制度にかかわる運動
   1 連合の政策・制度要求と闘争
    (1) 政策・制度要求の内容と重点
    (2) 政策・制度要求実現の活動
    (3) 個別労使紛争処理制度確立での対応
   2 全労連の政策・制度要求と闘争

 Ⅴ 単産・単組の運動事例
   1 介護労働者の組織化・介護保険制度への対応
   2 組織拡大に向けた新たな展開
   3 JR不採用問題と国労大会の動向
   4 深刻化する雇用問題と雇用延長
   5 浮上した「組合費チェックオフ禁止」と労組の反論
   6 賃金・評価制度をめぐる動き
   7 企業制度の変更と労組の対応策
   8 医療、環境対策・社会貢献の取り組み
   9 その他の運動事例

 Ⅵ 国際労働組合運動
   1 ICFTUの諸会議
   2 ICFTU・APROの諸会議
   3 WFTU世界大会 
   3 TUACの諸会議とレーバー・サミット
  
第4部 労働組合と政治・社会運動

 Ⅰ 社会保障運動
   1 年金制度改定をめぐる運動
   2 介護保険をめぐる運動
   3 医療保険制度改革をめぐる運動
   4 その他の運動

 Ⅱ 労働者福祉運動
   1 生活協同組合運動
   2 労働者・高齢者協同組合運動
   3 労働者共済運動
   4 労働金庫運動

 Ⅲ 社会運動の状況
   1 沖縄・基地・平和をめぐる運動
   2 反核・原水禁運動
   3 反原発運動
   4 戦後補償を求める運動
   5 憲法、人権、情報公開などをめぐる運動
   6 公害などをめぐる運動
   7 地球環境・自然保護運動
   8 国際貢献、NPO、NGOの活動

 Ⅳ 政党の動向
   1 国会と各党の動向
    (1) 第147通常国会
    (2) 第148特別国会
    (3)  第149臨時国会
    (4) 第150臨時国会 
    2 選  挙
    (1) 第42回衆議院選挙
    (2) 中間地方選挙
   3 民主党
     (1) 1年間の動き
    (2) 組織・機関紙・財政
     (3) 党大会
    (4) 政策・方針
    (5) 労働組合との関係
   4 日本共産党
     (1) 1年間の動き
    (2) 組織・機関紙・財政
     (3) 大会・中央委員会総会
     (4) 政策・方針
    (5) 労働組合との関係
    5 社会民主党
    (1) 1年間の動き
    (2) 組織・機関紙・財政
    (3) 全国大会
    (4) 政策・方針
    (5) 労働組合との関係
   
第5部 労働・社会政策

 Ⅰ 労働政策
   1 2000年度の労働政策
   2 労働白書の公表
   3 雇用および労働市場政策
   4 職業能力開発政策
   5 労働基準および労働者保護政策
   6 女性労働等に関する政策
   7 第147国会、第150国会における労働関連法案

 Ⅱ 賃金政策
   1 2000年度の人事院勧告
   2 2000年度の地域別最低賃金
   3 2000年度の産業別最低賃金

 Ⅲ 社会保障政策
   1 社会保障政策全般
   2 所得保障
   3 医療保障
   4 保健・福祉
   5 社会保障財政

 Ⅳ 労働判例・労働委員会命令
   1 最高裁判所判例
   2 下級審の重要判例
   3 労働委員会命令

 Ⅴ ILO
   1 第88回総会
   2 理事会
   3 産業別委員会などの諸会議
   4 技術協力、その他

●付  録
   1 主要な労働組合の現状
   2 労働組合名簿
   3 労働組合全国組織WEBサイトURL一覧
   4 統計図・表索引
   5 事項索引

社会・労働運動年表(2000年1月1日~12月31日)

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