全林野高知白ろう病事件判決[政]1977.7.28
全林野高知白ろう病事件判決[政]1977.7.28
国有林野事業では1959年頃より立木伐採作業にチェンソーなどの振動機械を導入し,合理化を図っていたが,’60年頃からこの機械を使用する労働者の間に,手指が白くなり血管・神経系を侵されるという振動障害が大量に発生した(’77年で国有林労働者3200人).本件は,高知営林署の作業員であった12人の退職者が全林野労組の全面的支援を受けて,国の債務不履行による災害として損害賠償を求めたケースであり,白ろう病裁判の最初である.高知地裁は,原告側主張をほぼ認め,国に対し安全配慮義務に違反するとして総額1億円の支払いを命じたが,’84年9月19日,高松高裁は国の責任を否定し逆転敗訴の判決をくだしたため,原告側は最高裁へ上告した.〔参〕労働法律旬報934・5合併号.⇒1965[労]3.3,1990[政]4.20.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。