長沼ナイキ訴訟控訴審判決[政]1976.8.5
長沼ナイキ訴訟控訴審判決[政]1976.8.5
1973年9月7日の1審判決に対し被告国側が控訴し,裁判は札幌高裁に移った.札幌高裁の二審判決は保安林指定解除処分の後,代替施設が完成したため住民の被る不利益はすでに補填され,処分取消しを求める訴えの利益は消滅したから,自衛隊の憲法判断を行うまでもなく原告の訴えは認められないとして一審判決を取消した.さらに,判決は傍論として,一審判決の認めた平和的生存権を否認し,統治行為論を援用して〈規範の意味が一義的に明確でなく法の解釈そのものも高度の政治性を持つ場合には裁判所は判断をさし控えるべし〉と述べて自衛隊の憲法判断をさし控えることを主張した.’82年9月9日,最高裁は原告の上告を棄却.〔参〕〈長沼訴訟控訴審判決〉(法律時報1976年10月号).⇒1973[政]9.7.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。