スト権スト[労]1975.11.26
スト権スト[労]1975.11.26
スト権奪還のため,公労協,地公労3単産が行った8日間のスト.1970年代のスト権回復闘争の高揚のなかで,’75春闘における国鉄の年度内処分発表延期,条件付きスト権付与の考え方の表明,政府による〈専門懇〉設置など,スト権否認の強い考え方だけでなく状況は流動化の気配を示していた.政府は専門懇の答申待ちの態度をとり結論を引き延ばしていた.11月26日の専門懇意見書は,経営形態の変更なしにスト権は認められないこと,国鉄・郵政のストは否認など厳しい内容のものであった.そうした背景のもと11月26日よりスト権奪還ストに突入し,国鉄が完全にストップするなど国民生活に大きな影響を与えた.ストは続行されたが,政府は専門懇意見書を盾に譲らず,ストは12月3日,自主的に中止された.スト権奪還史上空前のストはほとんど事態を打開できないままに終わり,大量処分と国労・動労にたいする202億損害賠償訴訟等が後に続いた.〔参〕《国鉄労働組合40年史》1986.⇒1976[経]1.31,1994[労]12.23.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。