日本生産性本部,賃金白書[経]1975.2.13
日本生産性本部,賃金白書[経]1975.2.13
生産性本部の賃金決定機構委員会(委員長金子美雄,日本賃金研究センター所長)は,この日,《賃金白書》を発表した.白書は,〈75年春闘における賃上げの基準を実質賃金の維持に置くべき〉ことを基本方針とし,委員長は,〈実質賃金の維持とは17~22%の賃上げである〉と説明した.他方,日経連が〈大幅賃上げの行方研究委員会報告〉で15%以下の賃上げをめざしていたため,この報告は財界から強い批判を受けることになった.翌2月14日には,同白書をとりまとめた金子委員長が辞任することになり,1968年以来刊行されてきた白書もこの年で最後となった.財界の意に反し,大幅賃上げを是認したことに対する批判が,同氏の辞任を決定的にしたと報道された.〔参〕日本生産性本部賃金決定機構委員会《賃金白書・昭和50年版》1975.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。