74春闘[労]1974.4.11
74春闘[労]1974.4.11
73年秋の石油ショックを契機に,狂乱物価と呼ばれる悪性インフレが急進する中で,3万円を大きく超える賃上げ要求とともに,物価や税制,社会保障,最賃制など政府に向けた制度・政策要求を強め,国民春闘的様相を示した春闘.例年より早く,1~2月段階で集会,対政府交渉等,3月には官民とも大規模なストに突入した.4月11~13日には早くも決戦ストに突入,公労協が9~13日まで120時間,私鉄11~12日の48時間,電機11~13日の72時間,金属,化学,マスコミ等も8日からストに入った.この後,4月中~下旬に民間の大半が終結に向かった.国民的要求実現の点での成果は不十分とはいえ,国民世論の一定の支持を受けた春闘であった.賃上げ結果は労働省調べで,民間2万8981円,32.9%という春闘史上空前のものとなった.〔参〕高木郁朗《春闘論》1976.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。