PCB汚染[文]1973.6.11
PCB汚染[文]1973.6.11
PCB(ポリ塩化ビフェニール)は,DDTやBHCと同じ有機塩素化合物で,耐熱性・不溶性・絶縁性などすぐれた化学的特性を有することから産業用に広く使用される反面,いったん体内に入ると脂肪組織に蓄積して容易に体外に排出されない有毒化学物質である.1968年にPCBの健康被害としてカネミ油症事件が発生したが,PCBによる環境汚染についても,魚介類などの食品をはじめ人体や母乳での高濃度の蓄積について研究者の報告もあり,国民の健康に及ぼす影響が懸念されるに至った.このため,未解明の慢性毒性についての試験が進められる一方,PCBの製造や使用の停止,PCBを含む廃棄物の処理対策が進められた.〔参〕藤原邦達《PCB汚染の軌跡》1977.⇒1977[政]10.5.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。