メーデー事件判決[政]1972.11.21
メーデー事件判決[政]1972.11.21
東京高裁は,81人を騒擾罪で有罪とし,暴行罪などを含めて計93人を有罪とした一審判決(1970年1月28日)を破棄し,騒擾罪の成立を全面的に否定した.長期裁判批判の世論の前に検察官は上告せず,騒擾罪全員無罪の判決が確定した.20年7ヵ月に及ぶメーデー事件の裁判闘争は,統一公判獲得のたたかいに始まり,デモ隊員逮捕の威迫,警官証人の組織的工作,警視の偽証など権力の不正を追及し,警官隊による先制攻撃という真実を明らかにし,日本共産党の軍事方針による暴動という検察官主張を打ち砕いた.とくに安保闘争と結びついて事件の本質が広く知られ,裁判批判の運動は前進した.〔参〕メーデー事件裁判闘争史編集委員会編《メーデー事件裁判闘争史》1982.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。