経済同友会〈70年代の社会緊張の問題点とその対策試案〉[経]1972.2.18
経済同友会〈70年代の社会緊張の問題点とその対策試案〉[経]1972.2.18
経済同友会は,1960年代後半以降の社会運動の高まりに対して企業内コミュニティを地域に拡げるという新たな戦略をこの成案で提起した.第1部では,現状への危機意識が表明され,注目すべき現象として,(1)新しい市民運動の高まり,(2)学生運動の広域化と過激化,(3)ドロップ・アウト的人間の発生,(4)地味な職業に従事している者の不満の高まり,(5)高年齢者の孤独感の増大,が挙げられた.第2部〈社会緊張への対策試案〉では情報化社会出現が指摘され,新しいコミュニティ形成の方向として,地域コミュニティの形成,〈ふるさと〉の再建,企業内コミュニティの再構成が挙げられた.これらは,’70年代を通して企業権力の地域進出として次々と実現されることになった.〔参〕《経済同友会30年史》1976.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。