平賀書簡[政]1969.9.14
平賀書簡[政]1969.9.14
平賀健太札幌地裁所長は,同裁判所で審理中の長沼ナイキ訴訟担当の福島重雄裁判長に,8月14日付で書簡を送った.この事実は9月14日に明るみに出,書簡の内容が訴訟の判断にふれるものだったため,裁判への干渉として問題になった.札幌地裁は裁判官会議の結果,9月15日,平賀所長に〈厳重注意〉の処分を下し,9月20日には最高裁も司法行政上の処分として〈注意〉を与えるとともに,同日付で東京高裁判事とする異動を決定した.また,札幌・東京・大阪の3弁護士会などは〈裁判の独立を犯す〉との立場から裁判官訴追委員会に罷免訴追請求を提出した.〔参〕〈特集・平賀書簡問題の再検討〉(法律時報1972年7月号)⇒1970[政]12.25.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。