英,ルークス判決[国]1964.1.21
英,ルークス判決[国]1964.1.21
BOACの従業員ルークスが会社と組合がユニオン・ショップ制を締結したのに反対して組合を脱退したため,組合がその解雇を求めて非公認ストを計画し,会社は解雇に踏み切った.ルークスはそれを違法として提訴し,上院は1906年労働争議法は違法行為による雇用契約破棄の強要を認めていないとしてルークスを勝訴とした.これによって組合は雇用契約破棄につながる争議行為が不可能となり,労働協約の有効性が法的に著しく制限されることになった.実際の労使関係からかけ離れたこの判決を修正するため,政府は1965年労働争議法を制定して,労働争議にかかわる雇用契約破棄を合法化したが,法制の整備の必要に迫られ,1965年4月8日,ドノヴァン委員会を設置して全面的見直しの作業に入った.〔参〕秋田成就〈ルークス判決について〉(日本労働協会雑誌1964年9月号).
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。