教科書無償措置法[文]1963.12.21
教科書無償措置法[文]1963.12.21
従来から教科書の〈国家統制〉を図るものとして反対の声が強かった〈義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案〉が,1963年特別国会に3度上程されたうえ,12月18日会期末ぎりぎりに可決成立した.義務教育無償措置の一環として作成された法律であったが,都道府県教育委員会の指導助言により,採択地区が〈市・郡もしくはそれらをあわせた地域〉に限定されて,現場教師の採択権と学校単位の自主採択制を否定して採択の国家統制を法制化したと批判された.さらに同法では文部大臣に教科書発行者を指定する権限を与えているため,一部編集者が配置転換されるなど,発行者の内部統制もおこなわれ,検定をあらかじめみこした教科書内容の〈自主規制〉を生んでいるという問題点も指摘されている.〔参〕宮原誠一ほか編《資料日本現代教育史・3》1974.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。