〈いかなる国の核実験〉問題［社］１９６１．８．９

   原水禁第７回世界大会で，〈いかなる国の核実験にも反対〉のスローガンをめぐって原水協の内部対立が表面化した．大会決議の草案はアメリカを平和の敵とみなし，反米反帝闘争に傾きすぎている，ソ連の核実験にも言及せよ，と地婦連が批判．大会で草案が採択されると，総評・地婦連・日青協・社会党は共同声明を発表して，修正案支持を表明し，原水協の一部執行部がイデオロギー的立場にたっているとして，原水協の体質改善を要求した．問題点は，〈いかなる国……〉問題の考え方にあったが，同時に，それを運動の原則とすべきか否かの対立にもあった．〔参〕《原水爆禁止世界大会宣言・決議集第１回－第２０回》１９７５．⇒１９６２［社］８．１．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。