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嶋中事件[政]1961.2.1

嶋中事件[政]1961.2.1

   《中央公論》1960年12月号に深沢七郎の〈風流夢譚〉が掲載されたが,この中で,天皇一家が処刑される場面が夢物語として描かれていた.これに対し,宮内庁が問題にしただけでなく,右翼が〈皇室侮辱〉であるとして中央公論社に抗議をくりかえした.こうしたなかで,大日本愛国党所属の17歳の少年が中央公論社社長嶋中鵬二宅を襲い,家事手伝いの女性を刺殺し,夫人に重傷を負わせた.犯人は15年の懲役となったが,中央公論社は〈掲載不適当な作品〉を公刊した〈お詫び〉を社長名で発表した(2月6日).中央公論社のこの〈自粛〉路線は,10ヵ月後の《思想の科学》事件につながっていく.〔参〕日本ジャーナリスト会議出版支部編《目でみる出版ジャーナリズム小史》1985.⇒1962[文]4.1.




大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。

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