朝日訴訟違憲判決[政]1960.10.19
朝日訴訟違憲判決[政]1960.10.19
生活保護法による日用品費月額600円と医療扶助を受けて国立岡山療養所で療養中の朝日茂は,兄からの仕送り1500円を理由に保護変更処分をうけ,不服申立を行った(1956年8月).しかし,却下されたので,厚生大臣を被告として却下裁決の取消しを求める提訴を行った(’57年8月).東京地裁民事2部(浅沼武裁判長)は,生活扶助としての日用品費月600円および療養所の給食は十分として原処分を容認した厚生大臣の裁決を,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を認めた憲法25条による生活保護法に違反しているとしてこれを取り消す旨の原告全面勝訴の判決を行った.被告(国側)は控訴した.その結果,東京高裁は一審判決を否定(’63年11月),最高裁でも原告敗北の結果となった(’64年2月,原告死亡).しかし,憲法の意義を問いかけたこの裁判闘争は人間裁判として高い評価を受けている.〔参〕《朝日訴訟運動史》1971.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。