新安保条約強行採決［政］１９６０．５．２０

   安保反対闘争が大衆運動として空前のもり上がりを見せるなかで，岸内閣は衆議院の単独採決と参議院の議決なしの自然成立という方針をとった．５月１９日衆院本会議が開かれると国会構内に５００人の警官隊が導入された．議長室の内と外に座り込んでいた社会党議員は，この警官隊によって排除された．本会議場で，会期延長が単独可決され，その強引さに自民党議員の何人かが退場した．新安保条約はどさくさに紛れて可決されたことになった．この暴挙が議会外に伝えられるとともに，労働組合員と学生の多数が，深夜の国会を取り囲み，座り込みやデモ行進等でその怒りを表明した．安保反対闘争はこの日を境に新たな高揚の段階に突入した．〔参〕日高六郎《１９６０年５月１９日》１９６０．井手武三郎編《安保闘争》１９６０．⇒１９６０［社］６．４．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。