三池労組〈非常事態宣言〉[労]1960.3.9
三池労組〈非常事態宣言〉[労]1960.3.9
1960年3月は三池争議をめぐる労使の力関係が急転した時期である.この3月に三池労組が分裂・第2組合が結成されるが,それまでにも希望退職募集,指名解雇通告,〈生産阻害者〉キャンペーン,製作所支部の脱落,ロックアウト攻撃など三池労組をとりまく情勢は厳しく,組合側は守勢にまわされていた.さらに,’60年2月頃からはストを中止し生産再開を求める批判勢力の活動が組合内部に顕在化していた.組合分裂が時間の問題とみられていた3月9日,三池労組は〈非常事態宣言〉を発し,批判勢力の動きを牽制した.しかし,3月15日開催された臨時中央委員会で,批判勢力は,闘争終結が否決されるや,3月17日,2870人をもって〈三池炭鉱新労働組合〉を結成,一枚岩を誇った三池労組も分裂する事態に立ちいたった.〔参〕三池炭鉱労組編《みいけ20年》1967.⇒1960[労]4.6.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。