伊達判決差戻し[政]1959.12.16
伊達判決差戻し[政]1959.12.16
1959年3月30日の伊達判決は,安保条約改定交渉のさなかに出された.検察官は4日後異例の跳躍上告をし,6月早くも上告趣意書を提出した.弁護団も50万字の答弁書を提出,9月最高裁大法廷で6回連続の口頭弁論がひらかれた.大法廷は伊達判決を破棄し,(1)憲法は国家固有の自衛権を否認していない,(2)安保条約は〈高度の政治性〉を有した国家行為であって司法裁判所の審査になじまない(統治行為論),(3)安保条約は一見極めて明白に違憲無効とはいえないと判示し,差戻1審判決(東京地裁’61.3.27)で罰金の有罪判決があり,東京地裁に差戻した.控訴棄却で確定した.〔参〕〈憲法と平和主義〉《法律時報臨時増刊》1975.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。