〈京都のハタ〉事件[政]1952.9.10
〈京都のハタ〉事件[政]1952.9.10
共産党京都府委員会機関紙〈京都のハタ〉(’46.6.1創刊)を配布中,道交法違反で太秦署に逮捕された党員2人は,10月3日京都地検から全国で初めて破壊活動防止法(’52年7月公布)違反で起訴された.内乱実行の目的のもとにその正当性と必要性を説く文書の配布がなされたとするのが容疑事実であった.一審判決(’56.12.27)は破防法自体は合憲としつつも,被告らの内乱の目的性,客観情勢からみて犯罪にあたらずとした.この無罪判決は最高裁判決(’67.9.22)で確定し,他の同時期の破防法事件もすべて無罪になった.これらの事件は,破防法の思想弾圧的側面の危険性を世にしめした.〔参〕宮内裕《戦後治安立法の基本的性格》1960.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。