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〈超国家主義の論理と心理〉[文]1946.5.-

〈超国家主義の論理と心理〉[文]1946.5.-

   連合国側は日本ファシズムを〈超国家主義〉としてとらえた.東洋思想史の専攻者としての丸山真男は,この把握をヒントに日本ファシズムの本質の解明を試みた.その結果,日本のファシズムの精神的起動力(エートス)として摘出されたのが〈抑圧移譲の原理〉である.天皇との距離で決定される人間関係という縦社会の秩序と,その天皇の権力すら〈無窮〉の価値意識関係によって位置づけられているとする丸山の分析は,日本人の精神構造の深部をえぐり出して解明するものとなった.東京裁判とニュールンベルク裁判との比較,漱石の〈それから〉におけるさりげない会話の分析等,議論材料の説得性とともに,丸山のこの論文は戦後の日本社会における知的活動の原点となる地位を占めた.〔参〕丸山真男《現代政治の思想と行動・上,下》1956.




大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。

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