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戦時税制[経]1940.1.27

戦時税制[経]1940.1.27

   軍事費と軍需生産への財政支出膨張に対応すべく根本的な税制改革が必至となり,所得税・法人税を租税体系の中心的地位に押し上げる税制改革が実施された.1937年度と’41年度を比較すると,所得税納税者は100万人から500万人に5倍化し,所得税が著しく大衆課税的性格を強めたことは明らかであった.このほか,地方団体間の貧富格差是正のため,特定の租税を国税として課徴し,地方団体に配布する地方分与税法の制定,懸案の戸数割廃止・市町村民税創設など地方税制も大改革となった.しかし,この地方税制改革は,財政面から地方自治を決定的に後退させた.大衆課税の強化・国庫増収により戦費財源不足を補おうとした改革であったが,戦後税制にも影響を及ぼした.〔参〕鈴木武雄《財政史》1962.大蔵省昭和財政史編集室《昭和財政史5・租税》1957.




大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。

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