中小商工業者の転業対策[経]1938.9.13
中小商工業者の転業対策[経]1938.9.13
戦時下の民需物資統制に伴い中小商工業の転廃業問題が深刻化し,まず工業組合等を媒介とする転業促進策がとられた.しかし,軍需への転業困難な下層の中小業者にとって,転業は即失業を意味したため所期の効果はあがらず,このなかで政府は労働力不足対策もかねて業者を勤労報国隊等に組織する労務供出策を並行して行った.太平洋戦争が始まると,法的強制にもとづく企業整備の段階に入った.’42年3月,政府は転業促進の基本方針を決定し,中小企業保護・育成策の残滓も切り捨て,全産業にわたる大規模な転廃業政策を推進,労務動員も一段と強化された.〔参〕塩田咲子〈戦時統制経済下の中小商工業者〉(《体系・日本現代史4》1979).
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。