東北大凶作[文]1934
東北大凶作[文]1934
1934年は,関西の風害,北陸の水害,九州の旱害,東北の冷害など全国的な凶作となり,とくに東北の冷害は農家を極度の窮状におとしいれた.東北6県の水稲作は,平年作に対して396万石,平均39%の減少であり,各県別にみれば,岩手54%,青森・山形46%,宮城39%,福島34%,秋田26%の減少を記録した.その他,畑作物,果樹などの被害も相当額に達した.凶作にともない,芸妓や娼妓・酌婦などへ身売りされる農家の娘や欠食児童の数が著しくふえた.離村がつづき廃村となった村の例や,鶏の飼料を食べる農家の話などがさかんにジャーナリズムなどでも報道された.〔参〕猪俣津南雄《窮乏の農村》(岩波文庫版,1982),楠本雅弘編《復刻版 恐慌下の東北農村》全3巻1984.⇒1930[経]この年.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。