社大党,陸軍パンフ支持[社]1934.10.28
社大党,陸軍パンフ支持[社]1934.10.28
1934年10月1日,陸軍は〈国防の本義と其強化の提唱〉と題するいわゆる陸軍省パンフを頒布,政治への介入を強めた.これに対し社大党書記長麻生久は〈軍部の社会主義的傾向の表現〉であると歓迎し,その支持を表明した文章を10月28日付の党機関紙《社会大衆新聞》に発表した.麻生は日本における資本主義の打倒は,軍と無産階級の結合による社会変革を必然ならしめていると主張,親軍的傾向を強めることで党勢の拡大を図ろうとした.翌’35年1月の党全国大会では陸軍パンフ問題に論議が集中したが,麻生の弁明と,近づく地方選挙対策に論点が移行したことで,問題に一応の終止符がうたれた.〔参〕吉見義明〈社会大衆党の方向転換〉(歴史公論1976年5月).河上丈太郎編《麻生久伝》1958.⇒1932[社]7.24.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。