満州事変[政]1931.9.18
満州事変[政]1931.9.18
満蒙問題の武力解決をもくろむ関東軍は,中国軍の満鉄爆破と日本軍への攻撃という虚構のもとに,中国側への武力発動を開始した.満州事変の発端となり,太平洋戦争に至る15年戦争の発火点となった柳条湖事件の勃発であった.軍の出先機関による軍事行動に対し,政府は当初不拡大方針を採るが,軍部は統帥権の独立を盾に次々と戦線を拡大し,半年後には傀儡政権満州国を設立した.それは同時に政党政治が終わりを告げる過程であった.事変が謀略で始まったことをまったく知らない国民の間には,〈日本の生命線満蒙を守れ〉という宣伝のもとで,排外熱・軍国熱が異常な高まりをみせた.軍部はこうして民衆の支持獲得に成功し,国政の中心的政治勢力として台頭していった.〔参〕江口圭一《15年戦争の開幕》1982.⇒1937[政]7.7.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。