独，ミュラー大連合内閣倒壊［国］１９３０．３．２７

   １９２８年６月に成立したＳＰＤのＨ．ミュラー大連合内閣は，当初からＳＰＤとブルジョア政党（とくに人民党）との対立という不安定要因をかかえていた．世界恐慌の到来により財政赤字と失業増大の問題が深刻化する中で，失業救済・雇用確保を求める労働組合と減税・財政均衡を要求する経営者団体との対立が激化した．政府は，失業掛け金の増額を含む財政改革案を提示したが，諸政党の妥協が得られず，大連合内閣は倒壊し，中央党ブリューニングの〈大統領内閣〉に代わった．〔参〕平島健司〈権力喪失の政治過程（１）〉（国家学会雑誌９８巻９・１０号）．⇒１９３０［国］９．１４．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。