治安維持法改正[政]1928.6.12
治安維持法改正[政]1928.6.12
3・15事件で治安維持法を本格的に発動した政府は,共産党による〈国体破壊の大陰謀〉を宣伝し,治安機構拡充・治維法改正強化をはかった.しかも同法改正案が第55議会で審議未了となるや緊急勅令により改正を強行した.その内容は,第1に,従来同一の刑であった〈国体変革〉目的の結社罪と〈私有財産制否認〉目的のそれとを分け,前者の目的による結社の指導者に対しては最高,死刑を科すとした点であり,天皇制に対する闘争の反国家性を強調した.第2は,結社の加入者のみならず党の〈目的遂行ノ為ニスル行為〉をなした者をも同様に処罰するとし,組織に加入していない同調者に対し同法を発動する根拠となった.〔参〕奥平康弘《治安維持法小史》1976.⇒1925[政]4.22.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。