社外船争議[労]1928.5.7
社外船争議[労]1928.5.7
大手の〈社船〉に比べ劣悪な労働条件下にあった社外船員は,1927年郵司同友会争議後の社船船員の待遇改善に刺激され,同年秋から待遇改善運動を開始した.運動は全国の港に広がり,この日の海員組合年次大会で船主協会に対し社外船員の最低賃金確立を要求した.前哨戦は船主協会未加盟の川崎汽船で始まり,緒戦の勝利のなかで6月4日の回答期限を迎えた.しかし,海事協同会での妥協は成立せず,6月6日組合本部の罷業命令が発せられ,8日まで371隻(85万トン),8419人が参加するかつてない海上争議となった.この結果,組合は〈普通船員標準給料最低月額協定〉を獲得した.〔参〕荒川章二〈1920年代の右翼的労働運動〉(日本史研究218号).⇒1921[労]5.7.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。