関東大震災［政］１９２３．９．１

   神奈川・東京を中心に関東地方全域に日本史上最大の被害をもたらした地震災害．家屋の全半壊２０万戸余，焼失３５万戸弱．死者・行方不明１４万１０７９人，負傷者１０万３５１３人，その他の被災者数２８７万余人．地震そのものの被害よりも，たまたま昼食時であったため火災が同時に多発し，大災害を招いた．物的被害は直接の損害額だけでも，国家予算の３．５倍の５５億円に達した．こうした被害だけでなく，問題は震災下におきた人災である．２日頃から朝鮮人の暴動の噂が流れ，警察や軍の指導で各地に自警団が組織され，朝鮮人や中国人を捕えてはリンチを加え，虐殺し，その数は数千人に達した．社会主義者・無政府主義者はつぎつぎと検束され，亀戸事件・大杉事件のような官憲による虐殺事件のほか，多くのリンチ事件が起きた．〔参〕鶴見俊輔ほか《日本の百年５震災にゆらぐ》１９６２．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。