第1次共産党事件[政]1923.6.5
第1次共産党事件[政]1923.6.5
この日未明,警視庁特高課の全課員ら百数十人が治安警察法の禁ずる秘密結社であるとして日本共産党に対する最初の一斉検挙を行った.この事件で堺利彦・市川正一・徳田球一・野坂参三ら約80人が検挙され,29人が起訴された.このため共産党は指導部を奪われ,1923年3月15日に東京の石神井で開かれた臨時大会で討議され採決をもちこされていた〈君主制の廃止〉など22項目の綱領草案は審議未了のままに終わった.検挙のきっかけは,綱領草案起草委員長の佐野学が,警視庁のスパイであった坂口鶴治・義治兄弟が同居中の元鉱夫渋谷杢次郎宅に党の書類を預けたためであった.〔参〕我妻栄ほか編《日本政治裁判史録・大正》1969.⇒1922[社]7.15,1924[社]2.-.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。