山川均〈方向転換〉論文[社]1922.8.1
山川均〈方向転換〉論文[社]1922.8.1
山川均は,同論文で社会主義思想の面で純化した前衛が,本隊である大衆のなかにひきかえし大衆を動かすことを学ぶ重要性を説いた.これは,コミンテルン第3回大会の〈大衆の中へ〉というスローガンに照応するものであった.同時に,政治運動を否定する潮流に対して,ブルジョア政治に対する政治的対抗の必要性を主張した.論文は,結成されたばかりの共産党の指針となり,労働運動におけるサンディカリズム克服の理論的支柱となった.これを契機に,政治否定を固持した社会主義運動は過激社会運動取締法案反対運動にも積極的に参加するようになった.論文は山川の過去への自己批判の書でもあった.〔参〕川口武彦《山川均の生涯・戦前編》1986.《山川均自伝》1961.⇒1922[社]7.15.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。