工場監督官[政]1915.12.25
工場監督官[政]1915.12.25
工場法施行に先立ち,農商務省商工局内に工場課が新設され,工場監督官4人,監督官補5人が任命された.翌1916年には,各府県警察部に21人の工場監督官と178人の工場監督官補が置かれ,工場の立入検査など工場法違反の取締りにあたった.監督官には事務官のほか,技師や衛生技師,医師が任命された.監督官1人当たりの工場数は発足当初は100工場に満たなかったが,’30年代になると230を超えた.工場法の施行状況を記した《工場監督年報》は,労働者状態についての貴重な記録である.なお,工場法と同時に,鉱夫の保護・監督のため鉱業警察規則の改正と鉱夫労役扶助規則の制定がなされ,農商務省鉱山局に鉱業監督官が,各鉱務署に鉱務監督官がおかれた.〔参〕三浦豊彦《労働と健康の歴史》2巻,1980.⇒1916[政]9.1,1922[政]11.1.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。