〈社会破壊主義論〉[政]1910.9.上
〈社会破壊主義論〉[政]1910.9.上
大逆事件の勃発に深刻な危機感を抱いた元老山県有朋が1910年9月上旬頃に上奏し,桂内閣に対策を迫った文書.穂積八束らの起草と推定される.前半の〈社会破壊主義論〉では,社会主義の根絶が強調され,教育・思想の引締め,社会政策の実施,強権的弾圧が示された.とくに弾圧には新たな取締法案が必要として,〈社会破壊主義取締法私案〉11条が付された.この私案は陽の目をみなかったが,結社・集会・出版などあらゆる社会主義運動が禁じられ,治安警察法より重い刑罰が想定されていた.〔参〕大山梓編《山県有朋意見書》1966.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。