啄木〈時代閉塞の現状〉[文]1910.8.-
啄木〈時代閉塞の現状〉[文]1910.8.-
死後に発表された評論で,1910年8月下旬に書かれたと推定される.〈強権,純粋自然主義の最後及び明日への考察〉という副題がつけられている.自然主義への批判として執筆されたが,自然主義を矛盾に追い込む元凶として国家・強権の存在を指摘,同時にそれらが〈時代閉塞〉の根源であると主張した.啄木はこのとき国家権力への宣戦と〈明日への考察〉を力説,逼塞した時代に抜きん出た評論となった.〔参〕今井泰子・上田博編《鑑賞日本現代文学6・石川啄木》1982.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。