新聞紙法[政]1909.5.6
新聞紙法[政]1909.5.6
単行本の規制を行った出版法と並んで,明治憲法下における新聞・雑誌規制の基本法.同法は,新聞・雑誌の発行を届出制としたが,発行と同時に納本を義務づけ,検閲によりその記事内容が〈安寧秩序ヲ紊シ又ハ風俗ヲ害スルモノ〉と判断された場合には発売頒布禁止処分に付すこととした(いわゆ発禁).同法はこうした行政処分とともに,安寧秩序紊乱・風俗壊乱・皇室の尊厳冒涜事項など掲載記事に対する刑事罰の規定をも併せ持っていた.また時事に関する事項を掲載する新聞雑誌は,発行場所と回数に応じ,250円から2千円という高額の保証金の納入を義務づけられ,これも言論の自由を実質的に制約するものとなった.〔参〕奥平康弘《表現の自由・I》1984.⇒1875[政]6.28.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。