赤旗事件[社]1908.6.22
赤旗事件[社]1908.6.22
山口義三の出獄歓迎会が神田錦輝館で硬軟両派70余人を集めて開かれた際,閉会まぎわに大杉栄・荒畑寒村・宇都宮卓爾・村木源次郎などの直接行動派が〈軟派〉への示威として〈無政府共産〉と記した赤旗をかかげて場外にくり出し,警官隊と衝突した.当局はこれを大事件にしたてあげ,大杉・荒畑のほか堺利彦・山川均ら14人が検挙され,1~2年の懲役となった.これは従来にない重刑で,直接行動派は壊滅した.しかし,彼らは獄中にあったため大逆事件からのがれた.この事件を山県有朋・桂太郎系官僚は,社会主義に若干宥和的だった西園寺内閣打倒に利用し,7月第2次桂内閣を成立させた.〔参〕荒畑寒村《寒村自伝・上》1965.⇒1910[政]5.25,1910[社]12.31.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。