三井三池万田坑スト[労]1904.7.17
三井三池万田坑スト[労]1904.7.17
この日,万田坑坑夫は世話人の出役督励に応じず実質上のストに突入した.要求項目は主に賃上げと検炭所歩引の緩和であった.当初会社側は坑夫個々の説得に当たったが,3日目からは出役拒否者に対する納屋退去命令という措置に出た.結局,坑夫の要求はまったく通らず首謀者6人は解雇された.翌年の勝立坑七浦坑のストと同様,坑夫の側に組織性はまだ見られず,5年前から始まった坑夫取扱方による納屋巡視に象徴される会社側の取締り・罰則の強化という方策に対抗しえなかった.この争議はスト件数の極めて少ない’04年に,しかも直轄制への移行が進みつつあった三井三池で発生したという点で特異な位置を占めている.〔参〕上妻幸英《三池炭鉱史》1980.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。