理想団[社]1901.7.20
理想団[社]1901.7.20
《万朝報》社主の黒岩周六が〈社会の救済〉〈社会改良〉を目ざし結成した団体.発起人は,黒岩はじめ内村鑑三・幸徳秋水・堺利彦ら8人でいずれも《万朝報》社員であるが,評議員には安部磯雄・佐治実然・花井卓蔵ら《万朝報》周辺の社会運動家や都市知識人も加わった.腐敗・堕落した人心の〈改良〉を第一義とし,個人の〈修養〉をつうじての社会改良を主張した.団員は3千人.〈思想の交換〉をめざし演説会や有志晩餐会を催したほか,茶代廃止や選挙活動にも関与した.幸徳・堺をはじめ深尾詔ら理想団をへて社会主義活動に入った者が多い点でも注目される.1920年の黒岩没後も活動を続けるが,解散の時期は不明である.〔参〕伊藤秀雄《黒岩涙香研究》1978.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。