社会政策学会の趣意書[文]1899.8.-
社会政策学会の趣意書[文]1899.8.-
8月20日発行の《国家学会雑誌》は〈社会政策学会〉と題する小文を掲載した.これは学会が放任主義と社会主義に反対であり,その目的とするところは〈現在の私有財産制度を維持し,其範囲内に於て箇人の活動と国家の権力とに由って階級の軋轢を防ぎ社会の調和を期するにあること〉を表明したものであった.趣意書発表の背景には,学会員でもある片山潜が社会主義者として言論活動を展開しており,これが学会の立場と混同されることに対する学会主流の金井延・桑田熊蔵らの危惧の念があった.1901年5月に社会民主党が結社禁止を命じられたのを機に学会が発表した弁明書も同様の主旨からであった.〔参〕関谷耕一〈社会政策学会小史〉(《社会政策学会史料》1978).⇒1896[文]4.26.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。