期成会と《労働世界》対立[労]1899.4.15
期成会と《労働世界》対立[労]1899.4.15
この日付の《労働世界》に,労働組合期成会は〈労働世界に警告す〉との投稿を寄せ,同紙が社会主義を主張するのに反対し,また鉄工組合員の働く工場の状態の暴露が,組合に不利を招くことを指摘した.一方,同じ号の冒頭には〈鉄工組合に告ぐ〉と題し,鉄工組合の運営を批判する社説が掲載された.この対立は期成会の設立を主導した高野房太郎と創刊以来《労働世界》の主筆であった片山潜との対立でもあった.高野が期成会はあくまで経済団体であるとしたのに対し,片山は社会主義に傾斜し,《労働世界》1899年1月号から社会主義欄を新設していたのである〔参〕隅谷三喜男《日本の社会思想》1968.⇒1897[労]7.5,1897[労]12.1.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。