〈職工諸君に寄す〉[労]1897.4.6
〈職工諸君に寄す〉[労]1897.4.6
日本の労働者に労働組合の結成を働きかけた檄文.いわば日本最初の労働運動の宣伝文書である.筆者の高野房太郎はアメリカ労働総同盟の日本オルグ.檄は労働者に職能別組合を基礎に地方連合,さらに全国同盟を結成することを呼びかけた.一方〈断乎として革命の意志を拒めよ,厳然として急進の行ひを斥けよ〉と忠告してもいる.5千字余の長文の檄は佐久間貞一の秀英舎で印刷され,佐久間の依頼で高野が講演した工業協会総会の席上で初めて配布された.労働組合期成会の結成はこの文書の成果ともいえる.〔参〕辻野功《明治の労働運動》1971.大島清《人に志あり》1974.⇒1891[労]夏,1897[労]7.5.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。