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大坂・江戸,打ちこわし[社]〔1866.5.-〕

大坂・江戸,打ちこわし[社]〔1866.5.-〕

   第2次長州征伐が発令されると,物価高騰に拍車がかかり,江戸・大坂の下層民の生活は一層悪化した.大坂では,6月26日,大坂三郷の南に接する難波村から打ちこわしが発生,市中を南から北へひろまり,搗米屋・酒屋・油屋など885軒が襲撃された.騒ぎは27日には鎮静化した.逮捕者のなかには取調べの際〈打ちこわしの元凶は大坂城内にいる〉(当時将軍家茂が在城)と叫んだものがあった.一方,江戸では,7月10日に品川宿で発生した打ちこわしが,東海道を北上して,江戸市中を城南から城西方面へ展開,7月16日までに主として搗米屋・酒屋・質屋・両替屋,他に横浜商いの呉服問屋などが打ちこわされた.騒動の最中,町奉行所門前に〈御政事売切申候〉という張札が出されたという.大坂・江戸とひきつづいて起こった暴動が幕府に与えた政治的衝撃は大きかった.〔参〕酒井一〈慶応二年大坂周辺打毀しについて〉(国史論集2,1959).松本四郎《日本近世都市論》1983.




大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。

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