五品江戸廻送令[経]1860.5.9
五品江戸廻送令[経]1860.5.9
開港以来,輸出品の激増は国内の物価騰貴を招き,幕府は江戸町奉行の主導により貿易抑制策をとった.’60年5月(万延元年閏3月),雑穀・生糸・呉服・水油・蝋の5品は,横浜への直送を認めず,江戸問屋にいったん回送し,そこでの売捌分を確保のうえ,横浜へ輸送し貿易品とすることを命令した.旧来の流通機構を独占していた特権的商人層を動員して貿易抑制を図ったのである.しかし,外国奉行,荷主・売込商,外国商人の抵抗・反対で無力化しかけたため,’63年横浜鎖港問題で江戸問屋買取りによる同令の励行が図られた.しかし翌年4国艦隊下関攻撃後は外国の圧力の前に,買取りは取り止めとなり,同令は事実上廃止された.〔参〕芝原拓自《開国》1975.
大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。