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開港[経]1859.6.28

開港[経]1859.6.28

   日米修好通商条約によって最初に開港したのは横浜である.幕府は東海道沿いの神奈川を避け,一漁村に過ぎぬこの地に9万両をかけて波止場や居留地を建設したが,江戸に近い地の利もあり,たちまち外国貿易の中心港となった.相手国としては英国が圧倒的な強みをみせ,綿・毛織物などの工業製品が流入した.主要輸出品は生糸・茶で,とくに生糸は輸出の過半を占めた.急激な輸出増は生糸等の価格暴騰,品不足を招き,金銀比価の相違による金の流出・洋銀の流入とあわせ物価高騰の原因となった.貧農・都市貧民,下級武士の生活難は深刻化し,各地で一揆・打ちこわしが起きた.また,養蚕地帯在郷商人の横浜売り込み,製糸業のマニュ化などによって,幕藩制の経済・流通構造は,ゆさぶられた.〔参〕《岩波講座日本歴史》13巻,1977.




大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。

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