法政大学大原社会問題研究所 オイサー・オルグ  OISR.ORG 総合案内

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労働者と会社、そして家庭―生産復興―

生産復興

 

ポスター14

【タイトル】唯・一路!要求完徹え!
【Title】This is the only way! For the full realization of our demands! The Tsurumi local, Japan shipbuilding workers‘ union
【人名・団体名】日本造船労働組合鶴見造船支部/全造船
【Organizations/Names】The Tsurumi local, Japan shipbuilding workers’ union
【作成日】1948年頃?
【資料の大きさ】38cmx52cm
【請求記号】PB0120

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスター15

【タイトル】週刊われらの娯楽版 No.19
【Title】Weekly Our Entertainment No. 19 Japan Wall Newspaper Company
【人名・団体名】日本かべ新聞社
【Organizations/Names】Japan Wall Newspaper
【作成日】1949.01.10
【資料の大きさ】55cmx79cm
【請求記号】PB0829

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解説】

 

 本展⽰の最初でも⽰したように、戦後直後の労働者たちは、⼀⽅で⽣活できるかどうかという困難に直⾯しつつ、他⽅で⽣産を復興させ、新しい⽇本を作り出すという意気込みを持っていた。次の⼆つのポスターは終戦直後のこのような雰囲気を伝えている。

 例えば、1948 年頃のものと推定される(全)⽇本造船労働組合鶴⾒造船⽀部によるポスター⑭の「⽣産復興え! 祖国独⽴え! 働けるだけの賃⾦を!」というフレーズは働くためにはまず⽣きなくてはいけないが、⽣きるだけの賃⾦をもらえるのであれば⾃ら⽣産復興に向けて動き、占領下にある⽇本の独⽴を達成する(1951 年のサンフランシスコ平和条約により主権回復)という意気込みが⾒てとれる(なお、「⽣産復興え!」の「え」は誤植ではなく、⾳に合わせて表記をするという当時⾒られた⾵潮による)。

 2枚⽬のポスター⑮は⽣産復興からさらに⼗分な⾷事、住宅、職、そして安価な移動(⼈⺠バス!)が確保される未来を描いている。「⼈⺠政府バンザイ!」というフレーズも社会主義的あるいは共産主義的な意味でのユートピアの到来を思わせる。「われらの世界は明るいぞ」という⾔葉とともに、当時の⼈々の未来に向けた希望を描いている。

 

(解説:清水剛)

更新日:2025年06月03日

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