法政大学大原社会問題研究所 オイサー・オルグ  OISR.ORG 総合案内

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II 図書 1.概要

(3) 参考図書

 ここでは所蔵している参考図書の中から一部を和書・洋書まとめて紹介する。

 a 書誌の書誌  『本邦書誌の書誌』『書誌年鑑』『日本の参考図書』などの参考図書目録によって検索の手がかりをまずつかむことができる。洋書ではウォルフォードとシービーの参考図書案内のほか American Reference Books Annual を年々購入している。

 b 全国書誌・蔵書目録  国内の大学図書館の蔵書を探すには,学術情報センターが提供しているweb-catが便利である。ただし,国会図書館の蔵書はweb-catには含まれていない。冊子体の蔵書目録,もしくはJ‐BISCで検索することになる。インターネット,CD‐ROMの展開により検索環境は近年飛躍的に向上してきた。これらを補うものは出版目録で『日本書籍分類総目録』や『出版年鑑』(1930年版から)があるが,戦前のものは書名索引がなく使いにくい。

 特に労働問題に関係の深い図書館の蔵書目録や,労働組合の資料室の所蔵目録も役に立つ。労働省,都立労働資料センターの目録が継続刊行されている。かつて総評や自治労,全電通などからも目録が出されていたが,このような目録は近年ほとんど刊行されなくなった。残念なことである。

 定期(逐次)刊行物所蔵目録については労働問題に関係のある図書館を中心に,ある程度広く集めている。明治期のものには「明治新聞雑誌文庫」(東大法学部)の雑誌目録・新聞目録が欠かせない。『学術雑誌総合目録』およびweb-catの出現で大学関係はだいたい検索できるようになったが,公共図書館所蔵の雑誌・新聞については『全国公共図書館逐次刊行物所蔵目録』,国会図書館の『逐次刊行物目録』を引かねばならない。国会図書館からは『全国複製新聞所蔵一覧』も発行されている。これには大原所蔵分もデータ提出をしている。

 洋書では図書館の資料にたよることが多いが,労働関係ではロンドンのカール・マルクス図書館の目録やニューヨーク大学のタミメント研究所の目録などがある。

 c 百科事典  英語ではブリタニカの14版と15版,ドイツ語は比較的多くマイヤーのものは東西両方そろっている。フランスはラルースの新版,旧ソ連のは初版と第3版がある。

 d 雑誌・新聞記事索引  国会図書館の『雑誌記事索引』がやはりベースとなろう。しかし,冊子はすでに1995年に発行が中止されている。CD‐ROMによる検索となるが,大原では購入していないので,多摩図書館を利用していただきたい。1990年以前の社会労働関係については累積索引版がある。雑誌の総目次は索引の完備していない現在はそれを補うものであるが,まず『日本雑誌目次要覧』をみてどこに総目次がでているか探すのがよい。最近は『社会事業雑誌目次総覧』とか『近代婦人雑誌目次総覧』のようにまとまって刊行されるのも目につく。『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録』は大衆雑誌を主に収録している点でユニークな目録といえる。

 新聞記事索引については,『朝日新聞記事総覧』が1919年7月の分から現在は1992年まで出ている。『毎日ニュース事典』が1973年から1980年まで,『読売ニュース総覧』も1978年から1994年まで刊行されている。これも最近のものについては図書館でCD‐ROMを利用していただきたい。

 新聞記事そのものを集めたものとして『明治ニュース事典』『大正ニュース事典』『昭和ニュース事典』がある。明治期については『新聞集成明治編年史』もある。

 e 年  鑑  『The Europa World Year Book』はちょいちょい調べるのにはなかなか便利である。組合の名簿とか簡単な統計,政治家の名前とか政党の役員とか,とにかく手がかりにはなる。

 f 名  簿  図書館・研究所については『専門情報機関総覧』や『全国図書館案内』『研究所要覧』『シンクタンク年報』など,学会については『全国学協会総覧』『国際学術団体総覧』,一般の団体は『全国各種団体名鑑』を調べる。

 外国の研究所や大学については World of Learning が標準的であろう。

 g 人名辞典  『日本社会運動人名辞典』『近代日本社会運動史人物大事典』がもっともよく利用される図書である。ようやく労働運動や社会運動の活動家についても専門的な辞典が出現した。しかしそれでも残念ながら図書館で調べるにはまだまだ多くの人名を収録したものがほしいところである。『日本人物文献目録』や『年刊人物文献目録』『年刊人物情報辞典』などの他,『現代日本人名辞典』,戦前の『新選大人名辞典』,物故者については『明治過去帳』『大正過去帳』『ジャパン who was who』『昭和物故者人名録』などがあるが,これだけの人名辞典をいちいちさがすのも大変なので,『日本人名典拠録』でまず検索しそれになければ他をあたるようにすればよい。社会運動家についてはほかに『解放のいしずえ』とか『昭和思想統制史料』,みすずの『現代史資料』『運動史研究』の人名索引も役に立つ。運動家の総合的な索引がのぞまれる。

 外国では日本の人名典拠録にあたる Index Bio-bibliographicus Notorum Hominum というものがある。これは5,000冊以上の人名関係の参考図書から所収の人名を検索するようになっているので大変便利である。もちろん大原社研にそのもとになる人名辞典があるわけではないが,人名だけでもその形や生没年とかどんな人か多少の手がかりはつかめるので便利。しかし現在103巻まで出ていてまだCのところが終わっていないという膨大なもので完結が何時になるかわからない。遠大な理想はよいが早く出してほしいものである。

 社会運動家に就いては,イギリスは Dictionary of Labour Biography (刊行中),Scottish Labour Leaders 1918~1939,Biographical Dictionary of Modern British Radicals,アメリカは Biographical Dictionary of American Labor Leaders と Biographical Dictionary of American,Labor Leaders in America,Who’s Who in Labor など,ドイツは Biographisches Staatshandbuch,イタリアはIl movimento operaio italiano が有用である。フランスの Dictionnaire biographique du mouvement ouvrier français は現在刊行中で44冊まででている。とにかくよく拾っていてほとんど記事の無い人まで収録している。これの国際版である Dictionnaire biographique du mouvement ouvrier international は今までにイギリス,ドイツ,フランス,オーストリア,日本,中国がでているが,他の各国の人名辞典が待たれる。ソ連の労働運動専門の人名辞典は入手しておらず,一般の Prominent Personalities in the USSRか,前記の百科事典を使う事になる。

 h 主題書誌  労働では大原社研の「労働関係文献月録」の他,日本労働研究機構の「JIL労働文献目録」(『日本労働研究雑誌』掲載),愛知県勤労会館の『労働関係文献索引』などがある。経済学は復刊された『経済学文献季報』,歴史は『史学雑誌』に掲載の文献目録を利用する。

 キール大学経済研究所編の経済学文献目録を1981年から入手している。労働問題では,ILOの刊行物については International Labour Documentation が月刊で刊行されている。Arthur Marsh の Employee Relations Bibliography and Abstracts も労働問題の広い分野をカバーしている。労働運動では,ドイツは Dieter Dowe や Klaus Tenfelde の戦前の労働運動史に関するもの,フランスは French Labor,Le mouvement syndical en France 1871~1921,イギリスについてはチャーティストの文献目録,The Warwick Guide to British Labour Periodicals がある。アメリカの労働運動,社会主義運動関係の雑誌の解題である The American Radical Press,1880~1960は,Greenwood 社のリプリントシリーズについている解説をまとめたもので便利である。

 i 便  覧  政党について調べる時には,Political Parties of the World,Communist and Marxist Parties of the World,Yearbook on lnternational Communist affairs などがよく使われる。

 労働組合については,国際的には Trade Unions of the World, 労使関係や労働法もふくめてルーズリーフで刊行されている International Encyclopaedia for Labour Law and Industrial Relations,イギリスでは Historical Directory of Trade Unions と Trade Union Handbook,ドイツは Dieter Fricke の Handbuch zur Geschichte der deutschen Arbeiterbewegung などがある。

(是枝 洋・若杉隆志)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より

更新日:2014年12月22日

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