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V 戦前の原資料 2.裁判記録

(2) 労働争議関係裁判記録

 ここでいう争議関係裁判記録とは,労働争議事件にかんする予審調書などの裁判関係文書である。収集されている労働争議の裁判記録の時期は,ほぼ1920年代に集中しており,その件数は約30件である。

 最も古いものは,1919年11月,戦闘化した大日本鉱山労働同盟会の組合員を中心に,飯場制度の撤廃を要求してストライキにはいった足尾銅山争議の裁判記録である。

 また,それ以降では,1920年2月,第一次世界大戦後の恐慌のもと,全国最大の工場であった八幡製鉄所で発生した争議(第1次,第2次の双方を含む),第二次世界大戦前における最大規模のストライキをともなう争議となった1921年7月の神戸三菱造船所・川崎造船所の両造船所の争議,この時期の関西の電鉄争議の頂点をなし,高野山に籠城するという意表をついた戦術をとったことでも有名な1924年6月の大阪市電争議,評議会の指導の下で105日という長期ストライキをたたかった1926年4月の浜松・日本楽器争議など,1920年代の主要な争議関係裁判記録を所蔵している。さらに,1930年代にはいってからのものでは,大恐慌の打撃がもっとも激しかった輸出産業,なかでも繊維産業における争議の頂点となった1930年9月の東洋モスリン亀戸工場争議などを収集している。

 そのほか,友愛会日立事件,大阪鉄工所因島工場争議,住友別子銅山争議,小坂鉱山争議,福島・磐城炭鉱争議,報知新聞社業務妨害事件,園池製作所事件,日立鉱山騒擾事件他公務執行妨害事件,別子労働争議水路破壊事件,日鉄二瀬高尾坑争議,釜石騒擾事件,治安警察法違反(友愛会大会)などの裁判記録も所蔵している。
 件数が多くはないことから,検索カードはとくに作られていない。利用する場合は冊子体目録(大原社研『資料室報』第113号(1965.10)の一覧に番号を付したもの)で確認していただくことになる。

(浅見和彦)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より

更新日:2014年12月22日

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