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III 文庫 2.向坂文庫

(1)向坂逸郎とその蔵書

 戦前は「労農派」の論客として日本資本主義の分析に健筆をふるい,戦後は社会主義協会の代表として日本における社会主義の理論研究と実践に大きな足跡を残した向坂逸郎は,愛書家としても有名で,生涯を通じて膨大な図書・資料を集めた。ちなみにその蔵書は雑誌やパンフレット類を含めて7万冊にたっし,うち日本語図書だけで2万1390冊,洋書は1万冊を超す。また逐次刊行物のうち,新聞と雑誌だけで日本語のものが3393タイトル,外国語のものが593タイトルとなっている。このほか,戦前日本の無産政党資料や戦後の日本社会党資料・労働組合資料などかなりの量の原資料がある。いずれにしても,一個人の蔵書としては他に例のないものだろう。

 これら向坂逸郎の蔵書・資料は,1985(昭和60)年1月22日,氏が87歳で亡くなられたのち,同年5月,ゆき夫人から一般公開を条件に寄贈された。当研究所では,これを「向坂文庫」として受け入れ,1986年4月以来,特別プロジェクトを組んで整理・分類作業に努め,これまで『向坂文庫目録Ⅰ(日本語図書)』(1992年),『向坂文庫目録Ⅱ(日本語図書索引)』(1993年),『向坂文庫目録Ⅲ(外国語図書)』(1994年),『向坂文庫目録Ⅳ(逐次刊行物)』(1995年)の4冊を発行し,閲覧者の便宜をはかってきた。現在は原資料についてのデータ入力を進めており,2000年中に最終刊の『向坂文庫目録Ⅴ(原資料)』を刊行する予定である。

 なお,向坂文庫については,筆者は先に「向坂文庫の所蔵図書・資料」と題する一文を『月刊社会党』第402号(1989年5月)に発表しており,二村一夫氏も「『向坂文庫』について」と題する詳細な紹介を,雑誌『法政』第404号(1990年3月)で発表されている。関心のある方は併せてお読み頂きたい。

(吉田健二)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より

更新日:2014年12月22日

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